戦闘描写、訓練はじめって感じで書いたわけですがこう、なにか。あ、変換なしです。かけらも出てきやしません




「相変わらずっ、君の剣は、荒々しい!」


甲高い金属音が辺りに響き渡った。ギヂギヂと音を立てる刃と金色の髪が陽光を受けて輝いているのをフレンの攻撃を受けたユーリは目を眇めながら睨みつけ、「そりゃどうも」と軽口を返す。だがその声色は渾身の力を込めた、少し苦しげなものだった。お互い全力で武器を押し合った膠着状態だ。


「褒めたつもりは、ないんだけどね!!」


フレンがその膠着した力をわざと緩める。一瞬対処が遅れたユーリの体勢が僅かに前に傾いだ。バランスを崩した上半身に向かって若い騎士が逆手に握った剣の柄で勢い良く打ち付ける。強烈な衝撃に肺から空気が押し出され、呼吸が強制停止した。


「がっ……んにゃろやりやがった、な!!」


苦鳴を吐き出し、けれどすんでのところでギリギリ踏みとどまったユーリはそのまま腰を落として、距離をとったフレンに突進した。反応速度とスピードは僅かながらユーリに軍配が上がる。うかつに避けるよりは重装甲を活かして受けたほうがいいと判断したらしいフレンが盾を構え半身ずらして立ちふさがった。
低い姿勢から切り上げるように薙ぎ払った剣閃は盾の縁でガチンと抑えこまれた、が、ユーリは全力の切り上げの勢いを余すことなく利用して体を回転させてフレンの篭手を蹴り上げる。


「ぐ、うっ」


すさまじい突進速度の苛烈さをそのまま脚に込めた蹴り上げでフレンの体がよろめくのを見計らい、ユーリは即座に体勢を整え追撃に走る。
刹那に出来た隙を逃すわけにはいかない、ヒュ、と息を吸い込み、


「もらうぜ!」


両手で握り直した剣を上から振り下ろしたが、不安定な体勢ながらフレンはそれを再び盾で凌いでみせた。低く唸るような裂帛の気合とともに、ありったけの力でもって振るった盾で剣を押し上げたフレンは、胴目掛けて横薙ぎに中段蹴りを放つ。それを身を翻して避けたユーリがお返しとばかりにフレンの足元を払いにかかるが、フレンもそれを難なく回避し、結果、剣を交える二人の間に距離が出来た。間合いが出来た分、本当に少しだけ相対する二人の顔に笑みが浮かぶ。だがそれは、決して穏やかなものではなくギラギラと目を輝かせた不敵なもので。


「……君は本当に足癖悪いな。騎士団の剣術習ってたろう? もう少しスマートに立ち回らないか?」
「足癖に関しちゃお前もどっこいどっこいだろが。つーか、俺にゃ騎士団のお綺麗な剣術は向いてねえし」


そんな、僅かの間に繰り広げられた彼らの戦いに、闘技場は一瞬の沈黙の後―――、大歓声に包まれた。