※選択肢ごとに出来上がってるということにしておいて下さい。
キャラ崩壊が著しいので(特にフレンがやばい)嫌な予感がした方は急いでブラウザバックどうぞ。
















事の始まりは、たちの悪い風邪がようやく完治した数日後の事でした。




「ふっふっふー、あとは姐だけなのじゃー!!」


太陽のような眩しい笑顔で両手をワキワキさせながら迫ってくるパティに、は嫌な予感を感じてジリジリ後ずさった。


「パティそのいい笑顔何怖いよ!?」
「単純なお話よ、。貴方だけ水着を着てない、ただそれだけ」


身の危険しか感じない、ここにいること自体が危険信号なんじゃないのか、こっそり自問自答するの退路を断つように、ジュディスが逃げ腰のの肩をそっと掴む。ただし尋常じゃない力で。


「ジュディスの笑顔も怖いなんかひたすら怖い」
「あらあら失礼ね、貴方がこれを着てくれるの、折角(主にユーリとフレンの反応を)楽しみにしていたのに」
「今何か余計な何かが聞こえた気がする!」
「大丈夫よ、貴方に似合いそうなものちゃんと選んでおいてあげたわ、サイズもぴったりの筈よ」
「ありがたいようでありがたくない気配り上手!!」


ジュディスの発言に突っ込みを入れながら必死に逃げ道を探したが何かもう逃げ切れる気がしない。何せ気がついたらリタもエステルも素敵な笑顔全開での周囲をぐるりと取り囲んでいるわけで。


「あたしも恥ずかしいの我慢して着てるんだからあんたも覚悟決めてどーんとやっちまいなさい」
「私もが着た姿見てみたいです! だから着てみてください!」
「待って待って待ってみんなして目の色おかしいよ!? お願いだからリタもエステルも正気に戻ってぇえええ!」
「何言ってんの、誰も彼も正気よー? さ、四の五の言わずに着ちゃいなさい!!!」
「ひゃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃユーリフレン助けてええええぇぇえぇぇぇぇぇ」













「……すまない、未熟な僕では君を助けることが出来ないんだ……!!」
「……期待でキラキラ顔を輝かせながら頬染めてそんな発言しても説得力ねぇよ」


遠のくか細い悲鳴に、断腸の思いを込めて呟くフレン。
そんなフレンをジト目で見やるユーリに、レイヴンは肩をすくめてやれやれと首を振った。


「青年もあんまりフレンちゃんのこと言えないわよ、しまりがない顔しちゃってもう」
「レイヴンもね」
「やだガキんちょったら。おっさんは心底楽しみにしてんのよ、ちゃんの初・水着姿!」
「……自覚があるだけ厄介だねレイヴンって」
「ワウ」


駄目な大人たちだった。








 


(魅惑のピンクフリルの称号を得ました)














「これは……予想はしていたのだけれどいつもとギャップがあるわね……」
「普段一緒にお風呂とか行きませんですし、知らなかったのも仕方ないんですけど……」
姐が普段だぼだぼの服しか着てないのは隠したかったからということかのぅ?」
「は、恥ずかしい……今なら恥ずかしさでエアルに溶けていける……むしろ溶けて消えたい……」
「縁起でもない事言ってんじゃないわよ、恥ずかしがるから恥ずかしく感じるだけよ、シャンとしなさいよね」


十数分後、更衣室に消えていった女性陣たちがわらわらと戻ってきた。
今回のメインであるは最後尾らしく、ジュディスとエステルの陰に隠れてちらりとも見えない。


「お待たせ、貴方達のお姫様、お着替え完了よ」
「さあ、前にどうぞ」


ジュディスが艶然と微笑み、エステルと一緒に一歩脇に退いた。


「わわわわ、うわ……っ、ぼぼぼぼボク見てないから!」
「「「…………!!」」」


一瞬直視してしまってから全力で目をそらすカロルと、食い入るように見つめたまま反応がなくなった駄目大人三名。下心を前面に押し出していたレイヴンまで見事なフリーズを起こしているが、この最年長は地味に純情だった。ある意味刺激が大きすぎたのだろう。
羞恥のあまり力いっぱい目をつぶってブルブルと震えていただったが、いつまでたっても何のリアクションもされない事に意を決して視線を上げてみて。自分を凝視したまま動かない三人に「ひっ」と声を詰まらせたが、その声にすら微動だにしない姿に、流石におかしいと思ったらしい。


「あ、あれ……フレン? ユーリ? レイヴンさんも動かなくなってる」
「まぁ、……仕方ないわよね。私達でさえ少なからずショックはあったもの」
「そんなに酷いの私の体!?」
「いえ、酷いんじゃなくて……」


エステルが言葉に困って微笑む。というのも、普段は、体のラインがほとんど出ないたっぷりとした服とコート姿であることが殆どで、帝都で暮らしていたときの服も、かろうじて腰帯で腰を絞ったような丈の長いもので、まず露出がない。
それが今は水着、しかもサーモンピンクの生地に同色のフリルがアクセントになったビキニに身を包んだの体は、ジュディス程とまではいかないけれど予想外のスタイルのよさを見せていた。
深い谷間を作る胸はジュディスと然程変わらない豊かさを誇り、の着替えの最中エステルが食い入るように見つめていたのも仕方ない、とパティは一人納得したようにうなずいている。
細すぎてないけれど締まったウエストも、ローライズのボトムスが軽く食い込む腰も、少しむっちりした太股も、バランスが取れている健康的な女性の体。
そんなこんなで、ユーリとフレンにとってそんなお姿の可愛い可愛い幼なじみが非常に刺激的だった、のだろう。きっと。


「あんたの体が酷いとか水着が甚だしく似合ってないとか、そーゆー理由じゃないのは確かだから安心しときなさい。……とりあえず起こしてやんなさいよ、おっさんは放置でもいいから」
「え、あ、……うんそうね、起こしてくるよ、微動だにしなさすぎて心配になってきたし」


恥ずかしさより動かない面子に対する心配が勝利したらしいが、パタパタと石と化した男達に駆け寄っていくのを見て、


「リタ、貴方いい仕事するわね」


と、ジュディスが美しい微笑みを深くしたのだった。








   さて誰を起こしましょうか。

   全身まっ黒いの   表面上は爽やかイケメン   胡乱なおっさん













































「ユーリ、ちょっと大丈夫ユーリったら」
「……ん、? ……ぉわ……ッッ!!?」


激しい揺さぶりにようやく我に返った俺は、自分にしがみつくようにして体を揺さぶっていたを見、それから服の開いた胸元部分にの胸が潰れるように重なっているのを見、思わず全力で幼なじみを引き剥がした。 (色々と落ち着け俺落ち着けマジで落ち着こう俺)と数秒間深呼吸してから、いきなり引き剥がされて動揺しているをもう一度頭からつま先まで見渡して、


「あ、いや、悪ィ、色々とびっくりして呆けてた」


顔をまじまじと見つめられないように顔を逸らした。のずっと後ろのほうでジュディがとても面白いものを見たといわんばかりにいい笑顔でこっちを見ているが、とりあえず無視を決め込んでおく。
―――とんでもない伏兵だった。俺だって立派な男だ、全く想像してなかったわけじゃないが、予想を大きく上回るスタイルのよさに周りを忘れてがっついたように見惚れてしまった。
しかもさっきまでのほの温かくて柔らかいふくらみの感触がまだ残っているような気がして、正直なところ顔が熱くてたまらない。
いろんな意味で衝撃がでか過ぎた。サイズ的にも想像以上にでか過ぎた。……今夜悶々としなけりゃいいが。


「本当に大丈夫? ……やっぱり私の体酷すぎ? 見れたもんじゃなくてショックだった?」
「……は?」


酷すぎ? ショック? いや、確かにある意味ショックは受けたけど、そういう事じゃないのか。俺はというと、顔を曇らせたに言われた言葉の意味がわからず眉をひそめるだけで。それを見たは、俺がよくわかってないことに気づいたのだろう。拗ねたように下を向いたまま、ぼそりと爆弾を落とした。


「ユーリが言ったんじゃない、昔に。……覚えてないの?」





…………なんだって?






「……あら、ユーリに昔何か言われたの、貴方の体の事で。」


の言葉に、不穏な何かをまとわせながら片眉を吊り上げ歩み寄ってくるジュディスと、少々様子がおかしいことに気づいたのかエステルやリタ、パティも近寄ってきた。ちなみにカロルは未だに意識がぶっ飛んだままのおっさんとフレンを正気に戻すため奮闘しているようだった。


「う、うん、子供の頃だけど」
「俺そんなまずいこと言ったのかよ……」


やべえ、欠片も覚えてない。「何を言われたんです?」と非難めいた視線をこちらにくれながらエステルが尋ねると、は「う……」と言葉を詰まらせて、けれども意を決したように、身を寄せ合う女性陣に耳打ちした。



何だろう…………ひたすら嫌な予感しかしないんだがこの状態。



ボソボソと耳打ちする音だけが小さく響くこの空間が非常に居たたまれない空気を帯びていく中、おもむろにパティとジュディが俺を見た。軽蔑の色が含まれている視線で。


「……サイッテーなのじゃユーリ」
「本当に最低ね、当時の貴方」
「……もしかして今までが肌の出る服とか体のラインが出る服を避けていたのは……その言葉が原因なんです?」
「そんなこと言われたらそりゃねぇ……デリカシーってもんがなさすぎるわ」


底冷えするような絶対零度の視線四対がビシビシと突き刺さり、妙なダメージを受ける俺。
独断で行動したときと同じくらい心が痛い。何この酷いメンタルダメージ。
つーか…………俺本当に何言ったんだ……。そこまでにトラウマ植えつけるような発言ってどんだけなんだ……。
内容に全く心当たりがなくて、気ばっかりが焦る。何か気が利いたことを言うべきなのかと考えたが、今のこの空気で言っても正直効果が薄いだろう。……俺の命運がここで尽きそうで怖い。


「そうか………何だかよくわからないけど、昔の君がを傷つけるようなことを言ったのか」


既に冷や汗を通り越して脂汗が滲む背中に、ある意味俺に止めを刺す冷え切った男の声が掛かる。


「げっ……」
「ははは、”げっ”、だなんてご挨拶だなぁユーリ。とりあえず斬られてくれないか、気が済み次第治してやらない事もないから」
「てめ、コラ躊躇いもなく剣を抜くな!! いい笑顔浮かべながら斬りかかってくんな!!」


背中からいきなり斬りかかって来たフレンの容赦ない一撃をなんとか回避しつつ、俺は心底思ったのだ。








殴れるもんなら殴ってやりたい、当時の俺。




 


(なぁ、……俺ほんとに何言ったんだ?)
(……ボソボソ)
(……それは……、あー……マジすまんかった。
今度のデートはお前の行きたい所連れてってやるから許してくれ、な?)








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「フレン、しっかりしてフレン」
……? ……うわあ!!」


の声が僕を呼んでいる。
飛んでしまっていた意識を戻すと、刺激的な姿をしたが僕の胸に縋りついているのが目に飛び込んできて、思わず情けない声を上げて彼女から飛びのいて離れた。
顔に熱が集まっていくのがわかる。どうにもばつが悪くて彼女を直視できない。
でも普段お目にかかれないだろうの姿に胸を躍らせたのは確かで、何と言うか、ジュディスの水着姿も圧倒的ではあったが、のその姿はずっと恋焦がれる相手のものであるがゆえにそれが霞んでしまうほどの衝撃で……いや……何だか思考が滅茶苦茶だ。
と、思索を別次元に飛ばしている場合じゃない。
わけもわからず僕から引き剥がされて、目の前に所在なさそうに立ちすくむの頬は恥じらいからか真っ赤に染まったままだ。
慌てて華奢な肩にマントをかけると、一言お礼を返されたが、浮かない表情で下を向いてしまった。……何かまずいことをしてしまっただろうか。


?」
「やっぱり、私の体って見れたもんじゃない? それとも水着が壊滅的に似合ってない?」


何を言い出すのかと思えば、―――は僕にマントをかけられたことで「自分はスタイルが酷すぎて見れるものじゃない醜い体」とでも思ったのか。
そんなわけがあるはずないというのに。






…………凄く魅力的なのに、それを自覚するどころか卑下するだなんて。







ショックを受けているらしく、ううぅ、と唸るの両腕をがしりと掴んだ僕は、われ知らず口を開いていた。


「そんな事があるわけがない。むしろ逆だ、思ってもないほどに綺麗だったんで驚いたぐらいだったんだ、がこれほどに女性らしい美しいラインを持っていたなんて。僕がまっすぐ君を見られないのは、直視してしまったら抑制が効かなくなって抱きしめてしまいそうだったからだよ。正直、君のそんな姿を他の男の目があるところで晒したくなんかないんだ。誰にも見せない、僕だけが見ていればそれでいい。ああ、見せられないように僕が印を付けてしまえばいいのかな? それにさっき縋りつかれていたとき君の胸の谷間と柔らかさに思わず生唾を飲み込んでしまったぐらいさ。恥ずかしそうな表情もグッときたし、場所が場所な……ら……?」


気がついたら目の前のが真っ赤になって目を見開いたまま固まっていて。
女性陣とカロルの目がいかがわしいものを見るかのように僕を見ていて。(ジュディスだけは肩を震わせながら明後日の方向を見ていたが)
どうしたんだろうと疑念を持ちかけて、ようやく僕は我に返る。
そして再び真正面でフリーズが解けたの羞恥と憤怒の形相を見て、僕の顔から血の気が引いた。






今、僕は何を声高に主張していた……!?









「ふっ、ふっ、フレンの……大馬鹿あああああああ!!!!」
「なっ、どこに行くんだ待ってくれ!!」


絶叫してその場から逃走するを追いかけようとした僕の前に二つの影が立ちはだかった。
前後不覚から立ち直っていたらしいレイヴンさんは生暖かい笑みを浮かべながら、同じく復活したユーリは頬を引きつらせながら、僕の両肩をがっちりホールドし。


「いやー、フレンちゃんってばほんと情熱的よねー……そして意外とむっつりスケベねー」
「お前の性癖はどーでもいいし気持ちはわからんでもないんだがな、それを本人に力説すんのはどーかと思うぞ、俺」
「まぁとりあえず、」



少し、頭、冷やそうか。そう連れて行かれてから数日間、は僕と顔を合わせてくれることすらなかった。





(、話を聞いてくれ! あれは違うんだ!)
(ふ、フレン……!(赤面→脱兎))
(…………そ、そうまで避けられるのか僕は……)






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「レイヴンさん、大丈夫?」
「ん、あ、ああ……ちゃん? って………………おぉう、刺激的ねぇ」


はっ、と気を取り戻すと、目の前には可愛いちゃんのセクシーにも程がある水着姿。一瞬また意識が飛びそうなほど目がチカチカしたけども、ギリギリのところでなんとか軽口を叩いてその場を誤魔化す。


「ぇあ、すみませんみっともない格好で……」
「いやいやぁ、みっともなくなんてないわよー、おっさんってばあまりのお色気に気を失っちゃったわけだしね」


持っていたいつもの羽織を肩に着せて、にんまりと笑うと、ちゃんは照れたように俯いた。
その背後でリタっちが心底嫌そうな顔でこちらを睨んでるのが見えて、あー……何となくだけど、おっさんのことは放置しとけとか言ったのかね、あの子は。でもちゃんはそれを聞かずに俺のところに来てくれたもんだから何だか面白くない、そんなところだろうか。
一人で自己分析、そして納得。
うんうんと重々しくうなずいていると、ちゃんが両手を胸の上で組み重ねた。両肘で胸を挟むようなポーズになって強調された谷間に、思わず視線が引き寄せられた。おお……眼福眼福……じゃねぇや、いかんいかん。軽く頭を振って何とか目線をちゃんの顔に戻す。
そんな一連の俺の動きを気にせず、ちゃんは紅潮した頬を緩ませて恥ずかしさの中ほんの少し喜びの色を混ぜて、


「お色気……私にも色気ってあるんだ……よかったぁ……」


本当にほっとしたように、呟いて微笑んだ。






………………っ、ちゃん……

し、

至 近 距 離 で そ の 笑 顔 は 反 則 す ぎ ま せ ん か ね ! !







その眩しすぎる笑顔を直視してしまった俺は。
湯気でも出てるんじゃないかって位、熱を持った顔を両手で覆ってしゃがみ込んでしまった。ちゃんは途端にうろたえだしたが流石にそれを気にしている余裕は綺麗に霧散していた。
遠くからパティちゃんの爆笑が聞こえてきたけど、もう好きなだけ笑ってちょーだい、弁解も何もできないわ。
おっさん、女の子大好きだけど思春期のガキンチョ並みに純情なの自分でもわかってるんだから!!
ついでに言うと今になって羽織を着た姿が俗に言う彼シャツ状態だって気がついて照れくささに拍車が掛かったとかそんなんじゃないんだからね!! ごめんそれ嘘!! もう気はずかしいったらありゃしない!







ガキんちょはちゃんが羽織に袖を通したことでようやく顔を向けることが出来たらしい。
それでもほんの少し顔が赤い様子だけど、普通に会話できている。
もったいない見ておけばよかった……と思う日がいつか来るんだろうなぁ。
いや、案外来ないのかもしれんけど、カロル君だし。
ちなみに青年とフレンちゃんは羽織を着た姿でも直視できないらしく、背中を向けて決まり悪そうに明後日の方向を眺めていた。幼なじみ補正って偉大ねぇ。
と、ここまでニヤニヤと笑っていたパティちゃんが


「落ち着いたところで、早速じゃが姐の点数付けいってみようかのぅ」
「「!?」」
「へっ?」
「けけけけけ結構です!」


と、喜色満面の笑顔で指を高々と空に突きつけた。途端に反応して振り返る幼なじみーズ、抜けた声で返事をする俺、その傍でちゃんが途端に悲鳴を上げて逃げ腰になったけど、ジュディスちゃんやお嬢ちゃんは採点が気になるらしく、にっこりと笑顔のままちゃんの両腕をしっかり捕まえていた。


「まぁまぁ、お遊びみたいなものですよ、
「ええそうよ、どんな点数だとしても、笑って聞き流せばいいのよ」
「無理無理、絶対そんな聞き流せない無理ぃー!」


往生際悪く逃げ出そうともがいているちゃん。
ごめんね、おっさんもそこの女性陣二人がちょっと怖いからここはおとなしく点数付けさせていただいちゃうよ。悪い点数なんて付ける気全くないというかむしろ高得点だから安心してね……と、心の中で涙を流し、パティちゃんの「さあさあ、何点じゃ何点なんじゃ?」と急き立てる声に促されて口火を切りかけた。


ちゃん、三……」
「言わせねえよ!?」「言わせない!!」
「グハァー!?」


気合一閃。お姫様の騎士二人の剣が呻るのが見えた次の瞬間に、非情の一撃によって俺の体は地面に埋まっていた。


か、過保護コンビめ……やるわね…………。






「個人的には三穣点だ!」
「お前のその主張おかしいよな、桁もおかしいよな」


言わせないと言った割には自分の点数言っちゃうのもどうなんだろうねぇ……
遠のく意識の端っこに引っかかった青年の突っ込みにも心から同意して、おっさん、ノックアウト。


 



(んもー! 二人揃ってレイヴンさんに何てことするの!!)
(人の体に点数付けるなんてふざけた話だしーやめておけって意味でやりましたーすんませんでしたー)
(大丈夫、君はどんな格好してても1京点は軽いよ)(ニコッ)
(フレンお前は黙っとけ)






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