「女性一人暮らしとばれない様にする工夫……」 引越しが済んで数日たったある午後。 はぼんやりと呟いた。この手の工夫として有名かつ簡単なのは、男性物の下着をわかりやすいところに干す事、だろうか。 と言ったものの、流石にデュークの下着を持ってきているわけでもなく、要するに手元には男性物の下着はなかったわけで、まぁ新品を買いにいけばいいかなとは財布を持って立ち上がる。 「、どした」 「あ、ユーリ」 施錠していると買い物から帰って来たらしいユーリと鉢合わせした。で、その声が聞こえたらしいフレンも顔を出し、玄関先で幼なじみ三人は顔をつき合わせる。 「ふむ、男性用下着、か……」 「うん、ユーリもフレンもいてくれるとは言え、自衛は大事でしょ」 事情を説明し終えると、美青年二人は同じような顔をして考え込みだす。そしてほぼ同時に何かを思いついたらしく、異口同音に「ちょっとそこに居ろ」と言い残しそれぞれの自室に飛び込んで数分後。 「これ使え!」「これならどうだい!?」 またもほぼ同時に自分の下着(生活感溢れる洗濯済み)を、あっけに取られるの眼前に突きつけた。 そして。 「いくら気安い仲だからって女の子にてめぇの下着突きつけるとか何バカやってんだお前らはッ!!」 涙目のまま無言で管理人室に逃げ込んできたを背後に庇いつつ、レイヴンはリノリウムの床に正座させたバカ二人にお説教の雷を落としていた。 結局、入用だった男性物の下着は既にデュークがレイヴンに頼んで用意してもらっていたらしく(勿論新品である)、パッケージングされたままのそれをレイヴンから受け取ったは心底ホッとしたのだった。
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